虫嫌いの私にとってはなかなか恐怖の一夜を過ごすことになりましたが、朝になってしまえば虫たちもどこへやら
あんなにたくさんいた虫たちはすっかり姿を消してくれていました
深夜から降り出していた雨も止んでいて一安心です
最終日
この日はもともとあまり天気がいい予報ではなく、その予報どおり空模様はどんより
テント場からは富士山の中腹部分だけが微妙に姿を覗かせていました
この日の行程は大門沢小屋から奈良田の駐車場まで
コースタイムで3時間半ほどの歩きです
短めの行程なので出発はのんびりめ
7時少し前に大門沢小屋を出発します
前日、小屋の手前で抜かされた2人組の方々と、初日に同じバスに乗り合わせていた4人組の方々もほぼ同時刻に小屋を出発していきます
自分たちを含めると3組
その中では1番最後尾でのスタートです
いつもの如く、下山時に履く靴はザックに潜ませていたホカのスピードゴート
前日の激下りのときは足裏にはかなりの負担がかかっていたようで、大門沢小屋の手前あたりで足が痛くなっていましたが、クッション性抜群のホカに履き替えたこの日は全く足に痛みがありません
そのうえ、深夜の雨により湿った登山道でもなかなかのグリップ力を発揮してくれてとても歩きやすい
濡れた丸太橋の上も滑りにくく、難なく歩けました
丸太橋を渡ったり渡渉があったりと、なかなか気の抜けないルートです
大門沢小屋を出てからしばらくは沢沿いに歩きますが、傾斜はかなり緩やか
標高約1700mの大門沢小屋から標高約800mの奈良田までは、なんだかんだでまだまだ900mほど下っていかなければなりません
しばらくは緩やかな登山道が続きました
途中に登り返すような場所も何箇所かあり、時間のわりになかなか思うように高度が下がっていきません
片側が切れ落ちた足場の狭いトラバース道を通り過ぎると、斜面にジクザクの道がつけられた激下りの区間が始まります
かなりの急降下
見下ろせばはるか下の谷底まで見えます
足を滑らせれば、そのはるか下まで落ちていってしまうのは容易に想像できます
登山道の上には落ち葉も積もっていて、うっかりしていると足を滑らせかねません
十分に注意を払いながら下っていきます
なんとか無事に激下り区間を下り終え、ホッと一息つきます
しばらくまた平坦な登山道が続いたあと、吊り橋の前に出ました
少々揺れる吊り橋を渡り、登山道は舗装道路へと変わります
一カ所、橋を渡るか河原に降りるかを迷う場所がありましたが、登山アプリで事前に得ていた情報が役に立ちスムーズに先へと進めました
その先でまた吊り橋を渡ります
二つ目の吊り橋は、先ほど渡ったひとつ目の吊り橋ほど揺れることもなく難なく渡れました
登山道から舗装道路に出てからは危険箇所もなくなり、ひたすら前に進むだけです
奈良田第一発電所からは、リニア工事のダンプが行き交う道を歩きます
至る所に警備員の方がいて誘導してくれるので轢かれる心配はありませんが、いかんせん山間の道路なので道幅は狭く、すぐ近くを通過するダンプの風圧を直に受けることになります
そんな道路をかれこれ30分ほど歩き続けると、ようやく見覚えのある景色の場所までやってきました
車を停めた奈良田の駐車場まではあと少しです
工事関係者の方々からは
お疲れさま〜、あとちょっとだよ
とあたたかく声をかけていただけました
10時過ぎ
無事に車を停めた場所まで戻ってきました
駐車場に戻る途中にあった日帰り温泉、女帝の湯
ここで3日間の疲れを癒して帰ることにします
駐車場から温泉の建物までは坂道を登り、その後階段を登ります
登山スイッチが完全にオフになってからのこのちょっとした登りがなかなか堪えました💦
汗を流してサッパリとしてあとは無事に帰るのみ
南アルプスを存分に味わうことができた3日間でした