chiritannyaaの日記

山に登ったときに思ったことを書き連ねる日記

5月17日 クラシックルートで登る木曾駒ヶ岳 DAY1

残雪期になりました

前々から気になっていた積雪がある時期に桂木場から木曽駒ヶ岳までを歩くクラシックルート

西駒山荘の冬季小屋を利用して一泊二日で歩くプランです

本当は3月末〜4月中くらいの、もう少し早い時期に行ってみたかったんですが、お天気やらなんやらかんやら、なかなか都合がつかずにとうとう5月になってしまいました 

今年は4月から急激に気温が上がり、かなり雪解けも進んだ様子

一面真っ白な雪景色というのは終わってしまいましたが、まだまだ雪の残る稜線歩きを味わえるはず😄

そんなわけで木曽駒ヶ岳まで足を伸ばしてみることにしました

 

実はこの一週間前

なんとかお天気が持ちそうな感じの日が一日だけありました

頑張れば日帰りで木曽駒ヶ岳まで行けないだろうかと思い桂木場へ🚗

事前の情報通り、桂小場の登山口から1、5km程手前の冬季ゲートから先は車両は通行止め

この日は急遽思い立っての登山

前日の出発も遅く睡眠時間はわずか2時間あまり

登山開始からしばらく時間が経過してもずっと頭がぼんやりした感じ

3時間ほどで大樽小屋に着き、軽く朝ごはんを食べてもまだ頭がぼんやりとしたままではっきりしない感じ

これは完全なる睡眠不足💦

先を目指して再び歩き始めてみましたが、上を見上げると先ほどまで見えていた将棋頭山の稜線にはガスが立ち込めています

このまま登ってもきっと景色は真っ白

そしてこの極度の寝不足

このまま登り続けてあの真っ白な山頂に登っても。。。

そんなわけでこの日は道半ばで引き返すことにし、またお天気の良い日に改めて登ることにしよう、

と下山することにしました

 

そしてその一週間後が今回

一週間前と同じように桂小場の手前1,5kmほど手前に車を駐車し準備をします

この日、駐車場には私たちの他には一台も車はありません🚗

駐車場に到着した時刻は8時頃

この時間より後から出発しての日帰りとなるとなかなか時間的にも厳しいので、きっともうこの日は誰も他に登る人はいないようです

準備を済ませ、1週間前にも歩いた道を再び黙々と歩いていきます

1週間前より咲いてるお花が少し減ったかな、

とか

こんなところにこんな石なんてあったかな、

とか

先週からの些細な変化を探しながら歩いていきます

 

今回は寝不足ではありません✨

が、泊まりということで、ザックの重量はなかなかの重さになっています😱

小屋泊なのでテントは必要ありませんが、小屋付近には水場がないため2日分の飲料を全て下から持っていかなければなりません💦

そして標高2700m付近では5月といえども、夜はまだまだ冷え込みます❄️

冬用のシュラフや防寒着などと念のためのピッケル、アイゼン等を合わせるとザックの重量は15キロほどになりました💦

 

歩き始めてから3時間ほど🚶‍♂️

大樽小屋まで登ってきました

ペースは前回とさほど変わらないくらい

重い荷物の割にはまあまあのペースです

ここまで何も食べていなかったので小屋前のベンチに座り軽く朝食をとります

ここでの気温は10度ほど

天候は朝からずっと曇り空☁️

日差しがないので、止まっていると少し寒いくらいに感じます

少しの休憩を終え、再び登り始めます

胸突き八丁の標識を過ぎると、残雪&急登が始まります

雪が残っているところもあれば解けているところもあり、とりあえずしばらくはアイゼンがない方が歩きやすい感じ

急登にさしかかるとやはり荷物の重さが応えます💦

雪の上は滑りやすく、なかなかすんなりと先へ進まなくなってきました

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標高が上がるにつれてだんだんと雪の量も増え、雪に埋もれかかった木の枝に行く手を阻まれます

大きめのザックも仇となり何度も木の枝に引っ掛かり思うように進めず悪戦苦闘😱

枝を持ち上げたり除けたり跨いだりと、枝との格闘がしばらくの間続きます

六合目、七合目の標識を過ぎると目の前が開け、ようやく将棋頭山の稜線が見えてきました✨

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長かった急登も終わりようやく稜線に出られます

稜線への取り付き地点で少し難儀しましたが無事に見覚えのある場所に到着できました

雲が多めですが何とか眺望はあります👀

稜線に出ると西側からは冷たい風が少し強めに吹き付けてきます

天気は相変わらずの曇り空で日差しがないためかなり寒く感じます

ここから山頂までは稜線歩きとなり風を受け続けるので、体を冷やしてしまわないよう、ここでシェルを羽織って先へ進みます

 


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この場所から先は歩いたことのある稜線歩き🚶‍♂️

冬季ルートは尾根沿いの道を歩きます

稜線の雪はすっかり解けており青々と茂ったハイマツ帯の中を進みます

登山道はハイマツがせり出してきているところも多く、飛び出したハイマツの枝に足をぶつけたときの衝撃はなかなかの痛さで

将棋頭山への登りは緩やかで雪もなくなり歩きやすい道のはずですが、重い荷物を背負って歩いてきた疲労からなのか、ペースはあがりません

そうはいってもこの日の行程ももうあと少し

ゆっくりと、一歩一歩前へと進んでいきます🚶‍♂️

 

山頂直前の偽ピーク

過去2回、まんまと騙されているので今回は騙されません

これは偽ピークだからもうひと登りあるぞ

と、言い聞かせながら登っていきます😁

 

偽ピークを越えた先に、ようやく見覚えのある山頂標識が見えました✨

2730m、将棋頭山の山頂です🏔

山頂からは木曽駒ヶ岳へと続く稜線が綺麗に見えました✨

 

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歩いてきた道を振り返ります
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今晩の宿泊地、紅い屋根の西駒山荘も見えます🏠
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将棋頭山の山頂標識はなぜだかカバー式になっています😄

過去に2回将棋頭山に登っていますが、このカバーを外すのは今回が初めてです✨

カバーに手をかけ持ち上げてみると、意外と重みがありました


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貸切の山頂をしばらく満喫し、あとは西駒山荘の冬季小屋として解放されている石室まで下れば本日の行程はおしまいです😄

 

ここでひとつ不安が

積雪期には冬季小屋へは窓から入るということらしいのですが、すっかり雪が少なくなってしまっている今の時期も窓から出入りしなくてはならないんだろうか、、、

窓からだと高さがあるのでなかなか出入りするのが大変になります

一抹の不安を覚えながら雪渓を降り、小屋の前までやってきました

入口の雪はすっかり解けています

まずは入り口の扉を開けてみると、

こちらは入り口ではありません

との貼り紙が😱

やはり窓からの出入り???

と、窓の方へと進んでいくと

 

開いたよー、

と旦那さんの声が

どうやら貼り紙の貼ってあった内戸が普通に開いたようです

これで一安心

中に入ってザックを下ろし、ようやく荷物の重さと心配事からも解放されました😄

 

小屋内はとても綺麗

壁は石積みになっており、真ん中が土間のようになった通路になっています

 

他に誰か来る気配もないので広々としたスペースに荷物を広げ、寝床の準備をします

 

日の入りの時刻は18時30過ぎ

日の入り時刻まではまだまだ時間があり、小屋でじっとしていても少し肌寒いので将棋の頭まで行ってみることにします

小屋を出て10分ほど歩くと将棋の頭に着きました

南アルプスが見えますが曇り空なのが惜しい

少し歩き体も温まったので再び小屋に戻ります

晴れてくる気配もなく、この様子では夕陽も期待できなさそうなのでシュラフにもぐって暖をとります

 

しばらくの間ウトウトして時計をみてみると時刻は18時30分

あまり期待せず小屋の外に出てみると、空が赤紫色に染まっています

慌ててカメラを持ち、将棋の頭の方へ駆けあがります

南アルプス方面の空は茜色に染まっていました✨


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将棋の頭はオレンジ色になっています
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木曽駒ヶ岳方面の空の色もとても印象的です✨
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太陽は御嶽山の右肩へと沈んでいきます

なんて美しい日の入り✨

どんよりとした曇り空の1日だったので夕焼けは半ば諦めかけていましたが、まさかこんなすばらしい景色で一日を終えられるとは思ってもいませんでした
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太陽は雲の中へと沈んでいきました

ほんの10分ほどの時間でしたが、本当に素晴らしい日の入りの景色でした

終始曇り空の1日でしたが、一日の最後にこんな景色を見られて本当に満足でした💤